ニュートンの運動の法則の論理に関する研究
東京第一合成㈱ 小竹秀典
Research
for Logic of Newton’s Law of Motion
Tokyo Daiichi Gosei Co., Ltd. H. Kotake
ニュートンの運動の第1法則(慣性の法則)は次のように述べられている。「静止または等速度運動を行っている物体は外部から影響を受けなければその状態をいつまでも続ける。」 ここで速度という言葉を使う以上、物体の位置を決める「ものさし」と時間を測る時計が前提としてある。これを論理的に言い直すと次のようになる。位置と時間を何で測るかの問題もあるが、とりあえず①ものさしで位置と②振り子時計で時間を測定するとする。これから等速度(等速直線)運動が想定される。実際「等速度運動している物体が存在する」ことが実証される。
これを次のような論理で言換えることができないだろうか。空間内に物体があり、その位置を測定する①ものさしがある。「再現可能な位置の移動をする物体がある」(たとえば一定の高さと一定の角度を有する斜面を転がり落ち水平に移動する球体を想定している)。空間内の他の物体の位置の変化をこの「再現可能な位置の変化をする物体(斜面落下後水平移動する球体)」に対応させることができる。これは②時間を定義していることになる。すなわちニュートンの運動の第1法則は「時間の定義」と見ることができるのである。振り子が一定の周期をもち、時計として使えることは、導き出される結果となる。
第2法則(運動の法則)は一般には次のように語られている。「物体に力が働くと物体はその力に比例した加速度をもつ。そのときの比例定数を質量という。」 これを論理的に考えると次のようになる。「ある物体Aに力Fを同時に2回作用させると、加速度αが2倍になった。加速度αを2倍にする力は2Fである。」これによって力が測定できる。比例定数をmとするとF=mαとなる。それと同じ力Fの作用で2倍の加速度2αが発生する別の物体(質量がm’の物体)Bがあるとき、F=m’(2α)=2m’α となるから、m=2m’ になる。即ち物体BはAの半分の質量であることがわかる。現実に同じ物体を2個合わせると質量は2倍になることが確かめられる。ここで力が等しいことをどう確認するかが問題になる。同一物体に対しては、同じ加速度を生じさせる力は等しいと判断される。その2倍、3倍の力も測定可能である。異なる物体に作用する力の大きさが等しいことをどうやって確認するかが問題になる。この解決には第3法則(作用反作用の法則)が必要である。言葉の定義と測定となる現象の対応関係が論理的には重要である。
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